マテーラ 2. さよなら代わりの Jacob's Ladder
2010年 04月 12日
以前はサッシの持つ独特な吸引力に惹かれるまま、通りを彷徨い歩いただけだったけど、
今回は見所4カ所に入れる共通チケットを購入vv
教会にもはじめて入りました(^^ゞ
写真が撮れないので内部はサイトを見てもらうとして…
その名の通り、聖ルチア を祀った
サンタ・ルチア・アッレ・マルヴェ教会〜Sante Lucia alle Malve
こちらのフレスコ画、ちょっとわかりにくいが、
聖ルチアが左手に持つ杯の中に目が2つ浮かんでいるのがわかるだろうか。
拷問によって両目を潰されるも、奇蹟によって目が見えるようになったことから、
「目の守護聖人」としても知られています。
かように、それぞれの聖人のシンボルが画の中に表現されることが多く、
聖ペトロ の鍵だとか、聖カテリーナ の本とか_
それは文字が読めない貧しい信者のために描かれたのがはじまりであっても、
アテクシのような門外編にもわかりやすいし、
謎解きみたいで面白く画が見れると思うんです。
って…知っていれば…のハナシで、いつも後で後悔するアタクシですが…(^^ゞ
小雨が舞ったり、日が差したと思ったら厚い雲が広がったり…のヤヤこい天気。
おどろおどろしく(!)写ってしまったこちらは、
その十字架が、サッシの中で一際シンボリックに映える
サンタ・マリア・ディドゥリス教会〜 Chiesa di Santa Maria di Idris
双方の岩窟教会にいえることは、
ホントに岩をくり抜き、削った構造になっていること。
いびつに曲がった柱やノミ跡残る壁など、素朴でいて力強く、
大理石の聖堂とはまた違う荘厳さを漂わせている。
もともとこの地の石灰岩はやわらかく加工がしやすいそうだが、
これほどの規模_大広間やヴォールト、祭壇などを作るには、
多大な時間と労力がかかったに違いない。
しかもその数がハンパなく多い…ときてるのだから、信仰のチカラ、恐るべし…でアル。
思うに_自然の洞窟がい〜っぱいあったワケだから、
年代バラバラ、みんな好き勝手に「オラが祠」を掘りまくったのではないだろうか。
と〈妄想〉すると、ちょっと楽しくなってくる。
街を離れる前、対岸の展望台に寄ってみた。
長い1日も終わろうとしているとき、
厚い雲間から、それは見事な、それは美しい Jacob's Ladder が延びていた。
特異なロケーションを活かし、多くの映画の舞台ともなったサッシ_マテーラだが、
この場所で「パッション」のキリスト磔刑の場面が撮られたそうだ。
しかし、そんなことを知らなくても、
今、目前に広がる光景は、まさに、ほんとうに、神々しいのひと言であった。