オクレ6. Bye Bye Ocre
2009年 05月 25日

犬1匹、親猫2匹、子猫4匹。猫は隠れてもっといそうだけど…(笑)
周囲の山や森には、もっとたくさん何かがいそうだけど、
これが、修道院に住まわるアニマルたちでアル。
気ままに走り回ってるが、
入っちゃダメ!というオフィス内には絶対入らない賢いワンコは、
ココのイメージに登場してもらってマス(右上)(^^ゞ
カメラ目線もバッチリ決まってるわよ♪
車を飛ばして2日はかかる…という、
「遠い国」から働きにきてるおばさんが用意した朝食をいただいた後、
いろいろ見せて回りたい…というジャンルーカ君が、他の場所を案内してくれる。
おっしゃる通り、食堂は片づけの途中…という感じで荒れてマス…(TOT)
それに…マシンが並ぶこのトレーニングルーム(もどき)は何ですか?!(笑)
答えに窮し、エヘヘ…と苦笑いの彼、名誉挽回!とばかりに、
眺めのよいテラスへ連れていってくれた。

ああ〜〜キレイっ♪
夜に見た満天の星空のワケは、
恐ろしく静かだったワケは、コレだったんだねvv
広くて高い空、山々に囲まれた豊かな大地。
この地では、圧倒的に母なる自然が支配者だ。
肩寄せ合って住んでる人間の営みがちっちゃく見える。
今日はあの山超えて走るんだな。
だから…名残惜しいけどそろそろ出発しなくっちゃ。
修道院LIVEのDVDも、美味なる「羊の会」も、
いろいろありがとう、ジャンルーカ君。
慌ただしい滞在だったけど、貴重な体験と思い出が作れたよ♪
ラクイラのちょっと南。
ココに来なければ、見もせず、気付きもせず、通り過ぎてしまっただろう小さな町。
でも…あたしたちは忘れないから。
バイバイ Ocre またいつか。

Comune di Ocre
オクレ5. 立派な礼拝堂もあります♪
2009年 05月 24日

宿泊棟とは別に、元修道院だから、ちゃんとした礼拝堂もある。
半地下に設けられたソレは、小さいながらもたいへん立派で、
壁面に残った色鮮やかなフレスコ画が、敬虔な空間をつくりだしている。
ジャンルーカ君いはく、、、
当時は「修道院長」ではなく「頭=カポ」と呼ばれる指導者がおり、
巡礼者だけでなく、家のない人や旅人を泊めたり、
金のために免罪符をばらまく聖職者に対抗したりと、
精力的に動き、権力ある修道院だったのだという。
「テンプル騎士団も寄ったんだよ」とか
「ダンテの神曲うんぬん…」とか
「ラクイラの教会はココをモデルにしたんだよ」とか
最初は眠そうだったジャンルーカ君のエンジンがかかりだし
難しい話がバンバカバンバカ出てきて、いつの間にやら絶好調〜!
もぅ〜こんな話になると、カポならぬ、カバなあたしのオツムは
追いつかなくて全くわかりましぇん!
メモも一応取ってあったけど、いま読んでも意味不明(笑)
のたくった字が、その時の苦悩を表しているかのようデス(^^ゞ

イタリア人がこうなると、男女問わず、黙って拝聴するのがベストだが、
若い彼がこれだけ熱意を持って話すのはエライところ。
そこにちゃんと、自分がなすべき事の誇りが感じられるから。
今もちょっとしたホールとして、コンサートなどに利用されているそうだが、
しっかり保全・修復し、将来的には修道院美術館にするそうだ。
地震でどうなったか…なんて考えるのはよそう。
彼と、携わるみんなの夢が叶うことを、今は静かに祈りたいと思う。
オクレ4. アブルッツォの朝
2009年 05月 23日

お腹いっぱいで、ちょっくら酔っ払って、
帰ったのが夜中で、寝るのも遅かったのに、
どうしてこんなに早く目が覚めちゃったんだろう。
空が明るいから。
オレンジ色に輝いてるから。
だからね、ちょっとのぞいてみよう。
そうしたらほら、ちょうどお日さまが上るところ。
バッチリ正面、ご対面。
思わず南無南無しちゃうくらい。
眺めがいい部屋って、このことだったのかな。
お日さまが息をするたび、空もいっしょに目を覚ます。
青く白く、光に満ちて。
それはほんとうに一瞬のできごとで、
瞬きするのも忘れるくらい。
1日でいちばんキレイな瞬間。
何にも汚されていない生まれたての朝。
アブルッツォで迎えるはじめての朝。
オクレ4 狂乱の「羊の会」後編
2009年 05月 20日

まるで中華料理屋のような?!デッカイ円卓につき、いよいよ夕食が始まる。
恐ろしくて、一体、今何時なんかは見ないようにした(笑)
みんな(空腹のため)ソワソワしてるけど、
厨房の人たちも、やっと始まったかぁ〜と思ったんだろう。
いきまっせ〜!とばかりに、見事な連携プレーでザカザカと皿が運ばれてきました♪
【Antipasto】
ああ〜なんて気前よく厚切りにされたペコリーノに、ニク肉しいサラ〜ミ。
この一皿だけでワイン1本空けちゃいそうだわ♪
ペロリといきたいところだったけど「時間」と「後の皿」の事を考えて少し残す。
というか「空腹絶頂期」を過ぎて、
「今頃食ったって、入れてやるかい!」と、胃袋が拗ねてる感じ。
で、横見たら、ジャンルーカ君は既に完食、手ぐすね引いて次の皿を待ってる(笑)
なんなんその早さ?キミ、ちゃんと噛んでる??
【Brodusiji con ricotta】
「Brodusiji」って何だろ?って調べたんだけど、わかりませんでした(>_<)?
多分、この地方のパスタの名称だと思う。
3センチほどに切った“うどん”みたいで、ツルツルモチモチ、非常に美味かった♪
羊肉の出汁が効いたスープはコク味たっぷりで、
寒い日には身体があったまるだろうな…という一品。
【Gnocchi al sugo di castrato】
二皿目のプリモは、にょにょ、ニョッキぃ〜〜!
ハズレに当たると、口当たりがモゴモゴしてよろしくないが
さすが、フワッとモチッと美味しいですなぁ〜
カストゥラートですから、去勢された羊だろう。
臭みは全くなく、ブツ切りのソレの身離れも抜群vv
見た目よりずっとあっさりしたお味でございましたvv
【Agnello acqua e sale, Patate al forno, Cicoria ripassata】
ジャンルーカ君いはく「塩水」じゃなくて「海水」で煮た仔羊らしい。
(あたしの聞き間違いかも知れませんが…ハイ…(^^ゞ
チャツネみたいな甘いソースをちょいとつけて食す。
あうぅう〜〜とぅてもやわらかくてジューシー♪
グリルしたモノしか食べたことなかったので、煮てもウマイとはビックリ!
コレは新たな発見、出会いであります!ブラヴォ〜ひつじ!!
それと…つけあわせのチコリアという葉っぱが、
独特の苦みとえぐみがグ〜!で、とっても気に入りました♪
【Ricotta e Mosto Cotto】
どっちかってぇ〜と、別腹ではなく、甘いモノも「同腹」なあたくしですが
ココは残り3キロを激走するマラソンランナーの心境で
最後の気力をふるってドルチェもいただきマス!
リコッタだから軽く?いけるでしょう。ウン、コクがあってなめらか〜♪
チョコレートかと一瞬思う黒いソースは、ブドウの搾り汁を煮詰めたリッチなモノ。
コレはリコッタと相性抜群なだけじゃなく、抜群にウマイっすぅ〜♪
でも……もぅ動けましぇ〜〜〜ん……
え?食後酒?
これって、いわゆる消化剤やんな?いただきま〜す♪(幸)(飲むんかい!)

という会食が終わったのが12時半。約1時間半の「一気食い」であった(笑)
3時間かけてもイイくらいの内容だったのに、ああ〜もったいない(TOT)//
話を長引かせたのはどこのどいつだっ!
でも…どの料理もホントにスゴクとっても美味しかった♪
羊は大好きで好んで食べるが、こんな多彩な料理法で羊を食べたのは初めて!!
「どう?美味しかった?」
本日の総料理長、これぞイタリアのマンマァ〜なおばさんが聞きに来た時、
美味しかったよ〜〜♪と抱きつきそうになったくらい(笑)
アブッルツォの羊、スゲ〜です!!
少なくともアタシにとって「羊の会」は間違いなく大成功でありマス!
そしてもうひとつ。
この晩を機に、すっかり見る目が変わったワインがある。
Montepulciano D'Abruzzo
アタシの中で、今の今まで、安くて軽い二軍レベルのワインだった。
それがどぅだ?!この日飲んだモンプルの、この厚さ、この香り、そのバランス!
こんなに芳醇で美味しいワインだったとは…。ほんとぅう目からウロコであった。
どうかアタシの無礼を許してくださいっ!!って感じ。
その洗礼を受けたのが、ジャンルーカ君が小指をたてて(!)持ってる1本。
GENTILE ORFEO Montepulciano d'Abruzzo
「生産量が少ないから見つけるのは難しいかもね」と言われながらも
旅行中、店に寄るたび探したが、とうとう見つけられなかったのはとっても残念でアル。
この後、これと同じくらい美味しい Montepulciano d'Abruzzo にも出会ったが、
「初恋」の味は忘れられないもの。
いつかどこかでまた出会える日を楽しみにしていたいと思う。
オクレ3. 狂乱の「羊の会」中編
2009年 05月 11日

2500m超の山々が連なり、3つの大きな国立公園を持つアブルッツオの主要産業というと、
夏は避暑に海。冬はスキーという自然を活かしたアクティビティと農業である。
ワインの Montepulciano D'Abruzzo は言わずもがな。
もうひとつ、地元の人びとが誇りにしてるのが「羊」なんだそうだ。
豊かな自然環境の中で放牧しながら育てる羊は、
絶品の肉となりチーズとなり、昔から人々の糧となってきた。
で、その「アブルッツォの羊」を守り、伝え、広めていこう♪というのが、
今回の「羊の会」の趣旨らしい。
うぅむ。後継者不足なのかな?若者離れは、何処の地も一緒のようだ。
「まま、ココに座ってて。1時間くらいで終わるし、それから食事だから」
そう言われ、一番後列に座り、その会とやらを拝聴する。
といっても、全然わからなかったけど(笑)
始まったのが9時前くらい。10時にはメシにありつけるだろう…と思ってたのだが、
そこはイタリア。シャキン!と予定通りに終わるはずがない。絶対に!
A氏の話だかスピーチだかが、やっと終わり…と思ったら、
poi 〜それからぁ)だの、anche 〜でもってぇ)だの così〜であるからしてぇ) だの
「接続詞」がドンドコ出てきて、一向に話が終わらない!!!
それを受けて周囲がオレもオレも!ってしゃべり出すからたまらない(TOT)//
嗚呼〜こぅなることはわかっていたのに……
もちろん議論?!が白熱するのはイイことだ。
この暑苦しいまでの自己主張を、控えめな日本人もちょいと見習えばイイとさえ思う。
が、あたしゃ〜「ハラが減った!!」ンでありマス!!(血糖値残高ゼロ)
白熱してるのは、前列の年配者が多く、
あたしたちと同じ後列に陣取った発言権の薄い若いメンツも、
きっと同じ心境だったに違いない。
けだるく座ったその背中がこう言ってマス。わかります。
「早く終われ〜終われ〜ハラ減った〜減った〜〜」
ウンウン!全くそのとぉお〜〜りっ!!!

腹減りまくりのアタシたちをそれでも気遣ってくれたのだろう。
ジャンルーカ君がコソコソ寄ってきて、1枚の紙を見せてきた。
「ねえねえ、どれがイイか意見聞かせてよ」
おおぅう!ちゃんと「ロゴ案」まで用意されてるんだ?ヤル気やなぁ〜vv
なんで英語なんかは置いといてぇ〜
漢字だとこぅかな〜と書くと、とっても喜んでました♪
まさか漢字にはなってないだろうが(笑)
どのロゴになったのか是非とも知りたいところである。
結局、食事が始まったのが11時過ぎ…(TOT)//
が、ディナーのためのメニュー表が配られた時、アテクシ、胸が躍りましたvv
ウワォウ♪ちゃんとしたフルコース(こんな時間から?!(笑)
そしてっ!スローフードのカタツムリマーク♪
そっかあ〜羊を守るってことは、羊を食べる伝統も残していくって事なんだな。
それからはじまった羊づくしのディナーの話はまた次回……
オクレ2. 狂乱の「羊の会」前編
2009年 05月 10日

荷物を置いてひと息。時間も時間だしハラも減ってきた。
今日、フラスカーティで昼を食べたのが遠い昔のよな気がする(笑)
「夕食は何時からはじまるの?」そう聞くと、そら恐ろしい返事が返ってきた。
「ああ〜そうそう、今工事してて食堂が使えないんだ。ご飯どうする?」
はいぃい〜〜???
WEBで見る限り(笑)食堂も雰囲気よく、
メニューも美味し「そうに書かれていた」から楽しみにしてたのにぃい〜!
で、そぅゆう「大事な事」を、悪びれる様子もなくシレッというのがイタリア人(の多く)
ちょ〜ちょ〜待ってぇな〜!ソレって詐欺ちゃうん?!と唖然とする我々に
「近くの町にリストランテがあるから送ってっててあげるよ。
でも……これからボクたちが行く“羊の会”に一緒に行かない?食事も出るしvv」
「羊の会」ってそりゃあ〜なんじゃい?!って思ったけど
食事が出るなら行ってもいいか〜(おいおい(笑)
だって食料もないし、買い出しもできないこんな山中の僧院で
一体どうしろと言うのだ?!(開き直り)
というワケで_
期待と不安に胸ふくらませながらジャンルーカ君の車に乗って出発したあたしたち。
*ホントは別のもっともらしい名前があったような気もするが
我々の間では「羊の会」になっているので、ソレで通す事にする(笑)

日も落ちて暗くなってきた中、鼻先に壁が迫るような狭く細い道を、飛ばしに飛ばす彼。
本人にしたら通い慣れてる道なんでしょうが、
ゆっくり走るイタリア人がいるとも思いませんが(笑)
ジェットコースター(の方がマシ)のような運転に、後部座席で固まってまいました(TOT)//
会場にウェルカムドリンクが用意されてたんだけど
「気つけ薬」の代わりに、オレンジジュースじゃなく、迷わず白ワインを飲んだわ(^^ゞ
落ち着いてよくよく見てみると、小さな町(Fossaと思われる)にしては(失礼)
立派なホテルが会場となっており、 Gパンにワークブーツという酪農関係者も多い中、
背広姿の紳士や、な、なんと、TVカメラも入ってるではないか?!
ドキドキドキ……
一体コレは何の「会」なんだろう???
真相は……つづく……のでアル!
オクレ1. 山里にたたずむ修道院の宿
2009年 05月 07日

膨大な量のサイトを見まくって宿を探すとき
「あっ、ココ!」ってピン♪ってくる所がある。
美味しそうな料理の写真が載ってたり、部屋が感じ良かったり。サイトの作りがキレイだったり…
まぁ〜いわゆる「見た目」がイイとこになるんだけど(^^ゞ
こんなとこでも「第一印象」ってのは大事なんデス!
ラクイラ周辺という数少ないリストの中で、
「ココ、ココ泊まりたいがな!」ってひと目惚れしたのが
修道院を改造した今宵の宿、Monastero Fortezza di Santo Spirito
地名の Ocre ってオクレ♪って読むんかなぁ〜読むんやろなぁ〜と笑いながら、車を走らせるも…
(オクレとくれば、もちろん「Mr.オクレ」でしょ。プププ)
地図上では町があるが、実際は村 or 集落という寂しい道で、
看板も出てないしぃ〜アレ〜アレ〜アレレのれ?
ハイ、おわかりですね?迷いました(笑)
だってね〜こんな所にあんねんもん!
秘密基地ちゃうねんから…!!
って、人里離れて?修行を積む修道院ですから、仕方ないっすね…

そんなこんなで、
フゥフゥと辿り着いた修道院は
思わず「たのもぉお〜う!」って
扉を叩きたくなるほど堅固な造り。
ガッチリ閉まった扉の前で
「うぉお〜い!誰かいませんかぁ〜〜」
ニィニィとネコがやって来たけど
キミ、お呼びじゃないデスから。
と、あ!バタバタ足音…
「やあやあ〜待ってたよ〜」
と満面の笑みで迎えてくれたのは
スタッフのジャンルーカ君。ホッ
はじめまして〜よろしくぅ〜♪
「どうやってココ見つけたの?」
「日本人が来るなんて初めてだよ〜」
「今日はね〜キミタチだけ。貸し切りだよ!」
ジャンルーカ君、テンション高い高い!(笑) でも歓迎ムードいっぱいで嬉しい♪
貸し切り…ってソレがエエんか悪いんかわかりませんが、
こんな広い建物の中にあたしら2人だけ?
ってちょっとビビるほど、まあ〜立派な佇まいなワケなんですよ。
でもキレイにリノベーションしてあって、廊下にもヒーターが備え付けられている。
そのことを誉めると、またまたテンションMAXで
「でしょ〜?建物は古いけど、ちゃんと手入れしてるんだよ♪」と鼻高々!
実際、室内のTVは薄型液晶だったし、バスルームもキレイ♪
ホントに設備は◎でした♪

僧坊を利用した客室だからそれほど広くはないが、
声が反響するくらい天井がすっご〜く高くて、狭さを感じさせない。
そこにゴンゴン!と何本も梁が通ってて、鉄棒できるんちゃうん?って(笑)
その分、明かりが届かなくてちと薄暗いが、ソレも雰囲気が出てよろし♪
でも冬はすごく寒いんだろうな。
クローゼットの中には既に毛布が入ってました。