カステル・デル・モンテ 4. 来た、見た、良かった♪
2010年 02月 07日

南国の強い日差しを避ける…というより、先の「8のミステリー」の事を考えると、
意図的なのかも…と思うほど、窓が少ない。
( もしかして窓も「8つ」なのかも!!(笑)
外壁に面するソレは、ナイフで切った切れ込みの如く…で、
余計なモノは一切いりません!というストイックさが、そこここに漂う。
だから城内はとても暗くヒンヤリとしており、
バームクーヘンの一片のような台形の部屋もガランとして、
光と闇のコントラストだけが、コトリと音もしない空間を支配している。
で、まだしつこく、城の謎を追っていくと__(笑)
中世の城の螺旋階段は「時計回り」に作られているそうだ。
これは階下から攻め上がってくる敵兵の利き腕(右手) を壁で遮るためだと言われている。
ところが、カステル・デル・モンテはその逆「反時計回り」で、上へ上へと登っている。
当時の定石を覆してまで作られていることから、
やっぱりココは「城」ではない…というのが、大方の見解となっている。
凡人のあたしにはよくワケがわからんのですが、
都合よく階段の写真を撮っていたので…(^^ゞ

城のフシギとは反対に、さすが選ばれた地だけあって
丘陵からの眺めは素晴らしい♪
600mほどの丘陵地だが周囲に遮るものがないので、
乾いた大地の上にポチポチと並ぶオリーブの木が、緑の海のように広がっている。
そして、その上を渡る風が、心地よく吹き上がってくる。
世界遺産にしては人出も少なく、なんとなく地味な感じも否めないが、
豊かな自然と一体になった静謐さが、
まるで聖地のような荘厳さを醸し出しているともいえる。
正直、最初は行っても行かなくても…ってくらいにしか思ってなかったんだけど(おいおい!!)
来てみてよかった…と心底思った♪
*車は下の駐車場に止めて、バスで城内へ上がる
*列車だと Andria の駅から市バスで(時刻表)
*Castel del Monte
カステル・デル・モンテ 3. 神の数値“8”のミステリー
2010年 02月 02日

うっへえぇえ〜〜!!
不勉強なもので、中はずっと屋内だと思ってたところに、
こんな立派な「青天井」(中庭から見上げる) があるとは思いませんでした(^^ゞ
この建物はホントに「輪っか」なんですね。
よけい「王冠」じゃあ〜ないですか (笑)
ポッカリ切り取られた空は「八角形」8です。
キリスト教の洗礼堂やイスラム教のモスクが同じように八角形をしているように
この8という数字は、宗教上、とても象徴的なんだとか。
いはく____
「8日目」にキリストが復活した。
「8人」の人間だけがノアの箱船に乗れた。
「8」とは宇宙的均衡を示し、それは天国を視差する。
ゆえに神と人が繋がる場所に使われる神聖なる数値である___ンだそうだ。
ですからこのカステル・デル・モンテ、てって〜的に「8」にこだわってマス。
「8角形」の中庭を囲むように「八角形」の塔を「8つ」建て、
1、2階ある内部には、それぞれ部屋が「8つ」ある_という構造上の「8」はもちろん、
ユリウス暦で「8番目」の月にあたる10月の「8日」、
南西の部屋の高窓と中庭側の低窓を、光が一直線に伸びふたつを結ぶ。
そして、、 (まだあるんか)
春分と秋分の日の正午になると、建物の影が八角形の中庭とピタリと重なり、
夏至の夜、八角形の中庭から空を見上げると、
そのちょうど中心にヴェガ が瞬くのだという。
・・・・・・・
フェデリーコ2世、スゴイです…(笑)
城が建てられたのは1240年頃、日本はというと鎌倉時代の話
8に対する
数学、天文学、建築学を会得してた…ってことがアンビリバボ〜!
けど…だから、残るのだ。
なぜ8?なぜこの地?そして何のために?というナゾが。。。。
イタリアには不思議建築が他にもたくさんあるけれど、
こんなに数値的にミステリアスなモノはないんじゃないかな。

オマケに__
柱や扉の飾りに掘られている葉っぱや花も、それぞれ「8つ」
8のミステリーを数え探しながら見てみるのも楽しいかも…しれない(笑)
*1ユーロセント硬貨裏の意匠になってます
カステル・デル・モンテ 2. 天才が創った摩訶不思議な城
2010年 01月 29日

豆腐だケーキだと失敬な事を書いたが(笑)
目前で見るカステル・デル・モンテは、そう_これはまさに「王冠」ではないか。
威風堂々、丘の上に君臨する絶対王者の風格である。
それもそのはず、これを建造したのは、
9カ国語を操る優れた学者であり、広い学識と探求心を持ち、
交渉によって、聖地エルサレムを無血奪取。
「世界の驚異」とまで呼ばれた稀代の名君フェデリーコ2世 その人である。
その彼が、自身が持つ天文学、数学、占星学の知識を駆使して作ったというカステル・デル・モンテ。
堅固な外観や「Castel del Monte〜山の城」という名前とは反対に
城であるべき備え〜城壁や堀、銃眼や兵舎などを全く持ち合わせていない。
そらぁ〜こんな平地に城壁もなく建っていたら、
どぅぞ好きに攻めてください、となってしまうわな(笑)
じゃあ〜別荘だったの?というと、厨房さえ無いらしい。
フェデリーコ2世は、プーリアに200以上の城を建設したというが (凄!)
このカステル・デル・モンテだけは、その用途がはっきり解明されておらず
今だ多くの謎を抱え持つ摩訶不思議な城となっている。

淡い桃色に輝くプーリア産の石灰石が積まれた今の姿は、
直線的なプロポーションと実によく合ってると思うが、
当時はその表面が、モザイクや色大理石で美しく装飾されていたそうだ。
それが時を経て、剥がされ盗まれ、荒れ放題だったところを
国がタダ同然 (笑) で買い上げ修復したそうだ。
そこでエライな〜って思ったのは、
最低限の修復はするけど、無い所はそのまま放っておきましょ、と手をつけなかったこと。
再現しようにも資金がなかった…という可能性も大いにありそうだが(笑)
キラキラな姿になっていたら、さてこの特異なまでの存在感は残っただろうか、と思う。
特異…そうなんです。
カステル・デル・モンテはまだまだ不思議がいっぱい。
真東を向いたファサードにある、この城の中で唯一といってもいいほど装飾的な門。
五芒星による完璧な黄金比で作られているというこの扉を抜けて
さあ、中に入ってみましょう。
カステル・デル・モンテ 1. 道草しながら白い城へ
2010年 01月 26日

ワインの道〜 Strada del Vino だけでなく、
オリーブオイルの道〜 Strada dell'olio まであるなんて、さすが伊国であります♪
しかもココ大事!!「Extravergine olio」(笑)
プーリアって、ちょっと郊外走ればすぐ気が付くのだが、
オリーブがそれこそジャングルの密林のように生い茂っており、
遠目で見ると、緑なオリーブの大海が広がっているかのよう。
トスカーナとは全く違う大地の逞しさに圧倒される。
だからねホラ、エメラルド色に輝く液体は、こんなにも味が濃いンですvv
ということで…
トラーニを出発して間もないというのにさっそく道草、オイルの買い出しvv
タンクから計ってもらうこと、1リットル 0.8エウロ也。安っ!!
(他にもいろんなランクがあるけど)
まだ初日だから、ボチボチ買いなよ、と注意しながらふと気が付いた。
KちんとMちんは、買い物思考が似てて、オマケにじっくり長考型。
Kの長っ尻ショッピングにいつも手を焼いているといぅのに
ゲゲっ!こいはマズイんじゃないだろうか?
同士Tよ、お互いがんばろうな…(TOT)//
*Strada dell'olio extravergine Castel del Monte

さて_
気を取り直し、延々と広がるオリーブ畑を抜け、ブドウ畑を抜け、クルマを走らせる。
空はどこまでも青く、大地はどこまでも緑。
とってもキモチのいいドライブだ。
と、小高い丘が見えてきたと思ったら、
その上に、イチゴ抜きのショートケーキのような、木綿豆腐のような白い物体が。
おお〜!!カステル・デル・モンテが近づいてきましたよ♪
ってか、ホンマに潔いくらいぽつねんと建ってるんやな〜(笑)