スルモーナ6. さらば「山」のアブルッツォ
2009年 07月 06日

内陸アブルッツォとおさらばして「海側」アブルッツォに移動する。
主線道であるでっかい国道に出るまでの山道。
道が狭く走るにはビビるが、景色はとってキレイ♪
スカンノ湖の生後3ヶ月の子供のみたいに小さく
貯水湖みたいなとこだったけど、
あまりにキレイで、思わず降りて写真とってしまいました(^^ゞ
月並みな表現で言うところのバスクリーン色(笑) だけど
どぅしらたこんな色になるんだろ?
泳いじゃおっか!?なんて一瞬思うほど、飛びこみたくなる色。
ダメダメ、人間は入っちゃダメだよ〜とばかりに
扇状の波紋をつくりながら、アヒルの親子がユルユルと湖面を滑っていく。
その姿を羨ましげに見つめながら
我々人間サマは、こぼれ落ちたエメラルドの欠片のような湖を後にするのでありました。

ようやくA14に入ると、今度は山・やま・山の風景が広がる。
マイエーラ国立公園の横をダダ切ってるんだから当たり前デスが、
グルグル山道ではなく広く快適な高速道路なので、助手席のKちゃんもゴキゲン♪
流れる風景の観察に忙しい彼女がスットンキョウな声で叫び出した。
「やしち〜弥七だ〜♪♪」
「はいぃい〜????」
見ると山のてっぺんにデッカイ風車が何棟も並び回ってる。
ギャハハ!!なるほど〜こりゃあ〜「弥七」だわな(笑)
注意して見ると、あっこにそっちにと、結構な数の「弥七」がいる。
険しい山間部だから、通り吹く風も相当なモンなんだろう。
こんなとこで、しっかりエコしてるアブルッツォってちょっとエライじゃない?
お陰で、しばらくこの「弥七」発見ごっこ♪で楽しめたよ(笑)

それにしても……こんな山中を走るなら、
日本だと山腹間にトンネル掘って「下」を走る道を作ると思うのだけど、
イタリアでは山間をまたぐ橋を作って「上」を走る道が圧倒的に多い。
何百十メートルもある橋脚に支えられた道路は、
え!あの上走るんですか?ってくらいの大迫力!
風防壁もなく、道路際の壁も低いから、ちょっとコワイ時もあるが
高いとっから見る大パノラマは、そりゃあ〜絶景でアル♪
トンネル掘るのと上またぐのと、どっちがイイのかわかんないけど
思うに………トンネルを出たり入ったりするより、
走りながら景色を楽しむために、外走る道を作ったんじゃないかな〜って思った。
そこはほら、イタリア人だから…ね (笑)
だから私たちも、こうやって名も知らぬ町を見つけ、
こんな場所にも人の営みがあることを知ることができるのである。
スルモーナ5. 自分の皿より他人の皿
2009年 07月 03日

プラプラとあてどなく歩いていたら目の前に感じのよいリストランテが。
Ristorante GINO
んんっ、なんか聞いたことあるで?!
そうそうこれも、偶然、雑誌に載ってた店だったのだ。
じゃあ〜誌面でちょっと確認してみよう!と思うも
肝心の雑誌を持ってきてないオバカぶり。。。
旅先では、ソン時気分、行き当たりバッタリな行動が多いあたしたちには、
本見て店行く…ってのが性に合わないんだろう、きっと…(^^ゞ
それでも…せっかく来たんだもん。
ガンベロ・ロッソやミシュランの常連店でもあり、
昔ながらのこだわりで「昼しか」オープンしてない…というのだから
コレは行っとかなアカンでしょ♪

有名店といっても、店内はとてもオープンな雰囲気で、
代々、家族で店を守ってきたあたたかみが感じられとても心地よい。
どんどん人が入ってきて、帰る頃には満席!だったし、
ジモティに愛されてる店なんだな、と思った。
フンギのキタッラは、見た目よりずっとあっさりしてて素朴な味。
セコンドには迷うことなく、仔羊のグリルをオーダー。
でも…アナタ、ちょっと焼きすぎですね〜ってか焦げてマス(TOT)//
思わず脳内に、楽しげにジャンプする(?!)スカンノの超絶美味なる羊が浮かぶ。
そうだ、コレだ!
「ミディアムレアで焼いてちょ〜だい♪」
このフレーズを、次回までにマスターしておこうvv
そんなちょっと△だった昼食。
そうなると回りの人たちが食べてるモノが俄然気になってきて(笑)
チラチラ見てたら、なになに?アレ?
トロトロにとろけて、こんがり焼き色がついた巨大なチーズの皿が目にとまる。
その隣には、チーズの黄色に呼応するように、
ルビー色の生ハムが山盛りこん、と添えられている。
あれはカチョカヴァッロ?生ハムとセットで食べるの?へええ〜〜
とにかく……ウマそう〜!!!!
外のメニューで確認しました(笑)
Scamorza alla brace con prosciutto crudo 〜スカモルツァの炭火焼き、生ハム添え
スカモルツァとカチョカヴァッロの違いがよくわからんのだが(^^ゞ
なんてしゅばらしいカップリングだろう(萌)
しかも、セコンドとして載ってマス。おお〜これはイイですね〜覚えておこ〜〜っと♪
と、すっかりヨソ様の皿の話で盛り上がってしまったが(^^ゞ
ちょっと羊が焦げてただけであって、こぅゆう時も、まあ〜あります。
ロカンダとして泊まることもできるようだから、
スルモーナを満喫したい人は是非♪
*Ristorante Gino
スルモーナ4. ペルシアンブルーが似合う街
2009年 07月 02日

もう少しスルモーナの街を歩いてみることにする。
抜けるような青空の中にキリリと浮かび上がっているアンヌンツィアータ宮は、
市美術館も併設している、今も残る希少なルネッサンス建築だ。
デコラじゃないけど、ファサードを飾るやわらかな彫刻が、慎ましく美しい。
山が近いからか、空がほんとに澄みきってキレイで、
ああ〜これって、ペリーノの青と一緒だな…と。
我が町の空を…と、色を選ぶ時、満場一致で決まったに違いない(笑)
それほど、青が、ペルシアンブルーが似合う街だと思った。
地図をもらいにいったインフォメのお姉さんも素朴で可愛くて
「ねえねえ〜私の名前を漢字で書いてみてよ」って。
こんなん言われるの久しぶりだけど、
「夜露死苦」みたいに変な当て字になっちゃったけど、
とっても喜んでくれて、お互い違う意味で笑いあっちゃった。
あたしたち)ゲゲ!スゴイ字になっちまったよ (^^ゞ
彼女)「漢字」だとこぅなるのね、スゴイ♪嬉しぃわ〜♪
互いの思いは違えど、これでスルモーナ&ジャッポ〜ネの友好関係が築けたかな?(笑)

アハハ!!かわいいのみっけ♪
小粋な羽根飾りのチロル帽からして、山岳警察?かな。
さすが2500m級の山々からなる国立公園を抱える街である。
よくわからんが、立派な建物に掲げられた石版には
どこかしら「公的な匂い」がするし(笑)
そして…この「お帽」だもん、きっと制服もカッコいいに違いない(妄想)
小さなポルテコが並ぶ通りは、
土曜の昼だというのに、結構閑散としていて静かである。
みんなコンフェッティの買い出しとか、市場とかに出払らかっているんだろうか。
ノンノン違う。
もうご飯時だからだ…多分…きっと…いや絶対(笑)
あたしたちも、この街で昼食をとることにしよう。
美味しそぅな店、あるかな?

Comune di Sulmona
スルモーナ3. 幸せを運ぶお菓子〜コンフェッティ2
2009年 06月 30日

通りを歩けばコンフェッティ屋さんにブチ当たるスルモーナの街の中で
圧倒的出店数を誇り、イタリアのみならず世界中に水色のパッケージを送り出しているのが、
1783年創業の「 Confetti Pelino〜ペリーノ」
他にも創業100年、200年の店がたくさんあるが、ペリーノが1番老舗で名を知られているようだ。
新旧さまざまな店で、いろいろ食べ比べてみるのも楽しいかもしれない。
では長い歴史を誇るペリーノに敬意を表し、
ココで名物?!「そのとき日本は?」をやってみましょう♪
(キャスターはぜひ松平さんにお願いしたい(笑)
1783年創業 Pelino 浅間山大噴火・天明の太飢饉
・・・・・・・・・・し〜ん・・・・・・・・・・
やらなかった方がよかったようですね…スイマセン…m(_ _)m
では気を取り直して……(^^ゞ
そのペリーノの本店が、スルモーナの街はずれにあったので、のぞいてきました♪
*ショップの他、コンフェッティの歴史資料館も併設されてます。

重厚なカウンターに、整然と商品が並ぶ棚、年代モノのデッカイ計り。
歴史を物語るよう黒光りする木でできた店内は、
フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局を彷彿させるかのような佇まいである。
そして……押すな押すなのスゴイ人にビックリ!
土曜日という事を差し引いても、今日って買い出しの日?!ってくらいの賑わいである。
でもみんな、とっても楽しそう♪♪
ペリーノで扱うコンフェッティは実に50種以上!もある。
品数の多さにシロウトが目を白黒させるなか、さすがスルモーナの人たちは「通」である。
自らの好みをいろいろチョイスして
「我が家独自」のコンフェッティ・ブレンドを計り売りしてもらっている。
なぁ〜る!そんな買い方ができるんだ!
なんですか、日本人が七味をブレンドするのに似てるとおもた。
「んとね、今日は山椒多くしてよ」って感じ(笑)
しかもスんゴイ大量に買っていくのにもビックリ!
ある男性、一抱えもある高さ50センチはあろ〜かという大箱を買ってて
気になって探してみると(探すな!)な、なんと 3キロ! 入りだった。
一体何粒入ってるんだろう???
なんというか、スルモーナの人たちにとってコンフェッティとは、
たまに食べるお菓子というより、
毎日絶対食べるパンのような存在なのかも…って思った。

今では他にもいろんな店ができ、
糖衣に小麦粉やデンプンを入れて、行程を楽にしてるメーカーもあるらしいが、
ここペリーノは、スルモーナ古来の方式を守り
3日間機械を回し、繊細な「砂糖の衣」をつけていくのだという。
他のモノを食べた事がないので何とも言えないけど
口に含み転がすと、大理石のようになめらかな表面が舌に心地よい。
中身がチョコやアーモンドプードル状のものもあるが、
カリッと噛むと香ばしさが口中に広がる、定番・大粒アーモンドのソレが一番美味しい♪
コーヒー豆もお薦め♪ 甘みもほどよく、上品といっていいほどだ。
イタリアのお土産って(今では日本でもフツ〜に買えるけど)
BACIとか「PERUGINA」のチョコレートなんかが定番だけど、
コレを機に、コンフェッティを大・大・大推薦したいと思います(おいおい)
溶けない、軽い、食べやすい、日持ちがする、お手頃価格、どこでも売ってる←多分(笑)
そして、もちろんコレが大事。とっても美味しい♪♪
だぅよ?お土産として素晴らしい条件が揃ってるでしょ(?)
ホントに単純バカな話だけど、今までそんなに食べてきたワケじゃないけど、
スルモーナの街を実際見て、歩いて、感じたから、
コンフェッティに対するスルモーナの人たちの愛情を感じたから、
改めて記憶と舌に残った、スルモーナのコンフェッティでありました。
スルモーナ2. 幸せを運ぶお菓子〜コンフェッティ1
2009年 06月 28日

イタリアにはアーモンドを使ったお菓子がたくさんある。
シチリアの銘菓、あたしも大、大好きな Torrone〜トローネもだが、
もっと「全国区」なアーモンド菓子が、ここスルモーナにある。
アーモンドを砂糖でコーティングした Confetti〜コンフェッティである。
ちょいとつまんで食べるだけでなく
イタリアでは祝い事に欠かせないお菓子として知られています。
ほら、引き出物の中に入ってることありません?
またの名を「ドラジェ(仏名)」ともいいマス。
*薬学分野では、糖衣がけした錠剤も「ドラジェ」と呼ぶそうだ。
なんで「コンフェッティ」じゃないの?って思うけど、名前が長かったんでしょうね…多分(笑)
お祝いの時に贈る数はきっかし5粒。
カラフルな色にもちゃんと意味があって
結婚の時は5粒全部 白。
洗礼の時は、男児だとブルー1に白を4、女児はピンク1に白を4。
卒業の時は赤を1に白を4。
銀婚式では銀が1に白を4。
金婚式では金が1に白が4となるそうだ。
す、スゴイ決まりだね〜(笑)
なんでもその昔、スルモーナの菓子職人が、砂糖を熱し糖衣をつくることを発見。
アーモンドやヘーゼルナッツの糖衣がけをつくったのがはじまりだとか。
あてくしは全く知らなかったんだけど(^^ゞ
イタリアでは「スルモーナ=コンフェッティ」と連想するくらい
有名なお菓子のひとつとなっています。

そしてさすが発祥の地。
通りを歩けば、コンフェッティの店、店、店!!
専門店以外にも、BARに土産物屋、食料品屋あらゆる所で目にする。
あっちもこっちも、犬も歩けばコンフェッティに当たる…状態 (^^ゞ
その中でも一際目を惹くのが、
見事にデコレートされたコンフェッティの花である。
軒先に花屋と見まごうばかりに咲きはなち、
知らなければソレが「コンフェッティ=食べれるモノ」とは思いもしない。
1本でもいいし、色など選んで、オリジナルの「花束」もできるらしい。
花束ですよ〜?!シュゴ〜イ!誰かちょ〜だい♪(笑)
ちょっとグロテスクな虫シリーズはいただけないが
キッチュでパワフルな色遣いが、とってもイタリアらしい。
しかも、コンフェッティを使ってこんな器用な細工するんだ〜と、ビックリもした。
いや…マエストロの国だから、これくらい朝飯前でしょうけど(^^ゞ
思いのほか安価で、買おうかと思ったが、
針金が曲がるし、セロファンも破れるやろ…とスルーしたことを
今、とっても後悔している(TOT)/
旅先で「欲しいな」と思ったモノは、後先考えず(イイのか?)ゲットすべし!
なんだよね…やっぱ。
スルモーナ1. 着いてさっそく市場巡り♪
2009年 06月 24日

お願いだから対向車こんとってやぁ〜(TOT)/ というスリリングな山道を抜け、
スルモーナへやってきた。
街の規模はラクイラと同じくらいだろうか。
不幸なことにスルモーナも、13、15世紀に大地震に見舞われ
紀元前ローマ時代からの歴史を誇る建物の多くが崩壊したそうだ。
また、第二次世界大戦中の爆撃も激しかったようで、
だからか、再建された街に見受けられる整然とした美しさが感じられる。
こんなんがあったので見てみたんだけど、
とにもかくにも、ヨーロッパの中でもイタリアは突出して「地震が多い!!」
1700年代なんて毎年のように起こってる。
興味深いのはアブルッツォを境にするかのように、中部から南部にかけて多いこと。
この周囲の地下に、不穏な大陸プレートがあるんだろうな…
でも……
過去の不幸を感じさせない、美しい街並みを取り戻した人々の努力はスゴイ!
だからね…ラクイラもまた、不死鳥のように美しく蘇るはずである。必ず。

車を走らせ、たまたま辿り着いたガリバルディ広場。
安くて安心な(笑)市営駐車場に車を入れて、そそくさルンルン♪と広場に向かう。
だって見てよ。このパラソルの花♪
イエ〜イ♪朝市がたってたんですぅ〜!
やっぱ早起きアクションは三文の得だなvv
人混みはキライだけど、市場のソレは楽しい♪
市場は賑わってなんぼ!のモンだし、袖振り合うも多生の縁。
こんなにのどかな街の、のどかな市ではスリも殺気も無縁ですから。
そんな熱気に誘われ、
普段なら絶対買わない縫製のチャチな服まで、一生懸命手にとって見てしまう自分に笑う。
と思ったら、何気にちゃんとしたブランドモノも置いてたりする玉石混淆さがたまらない。
掘り出し物を掘り出す醍醐味に溢れてるのが市場なのよね〜♪
そしてもう1つ。
雑貨や衣料だけじゃなく、近隣農家が出す食料品の店も必ず絶対要チェックだ。
生鮮物はムリだけど、ジャムやハチミツ、エトセトラ…。コレがまたウマイ!
と、さっそくK嬢お買い上げ♪
こ〜ゆ〜時、妙に現実派になるあたしは、荷物の総重量を考慮して買うのを控えるのだが、
彼女は一切無視の、買うときゃ〜買う!の暴挙に出る。
マジな話、帰りの彼女のスーツケース〜瓶モノばっか詰まってる異常に重いソレを、
あたしは2センチ以上持ち上げられない。
その重さで一度もカウンターでひっかかったことがないのにも驚くが
「ソレ」を持って帰る…という彼女の「腕力」には、ただただ、ひたすら感服する(笑)

昼食を終え、広場に戻ってくると…
アララ〜きれいサッパリ市が片づいていた。
あんなに賑わっていたのがウソのような素早い撤収である(笑)
マイエッラ国立公園〜Parco Nazionale della Maiella に隣接するスルモーナは山が近い。
道を走ってるとわからないものだが、こんな広い場所から見ると
山に抱かれた街であることを改めて思い直す。
今も残る数少ない昔の建造物、12世紀の水道橋の向こうに、
凛々しく連なる尾根と、どこまでも高く蒼い空が広がっていました。