スカンノ7. Mattina Di Scanno
2009年 06月 17日

観光ポスターにも使われている絶景ビュー♪
これがスカンノの全景デス!
背後に山が迫ってるのがよくわかります。
なんか山肌に変な「溝」(!)があるな〜と思ったら
スキーのリフトでした(^^ゞ
夏は避暑に、冬はスキーにと、
実はリゾーティな町でもあるんである。
ところどころオレンジ色に見えるのは
もしかして、もしかすると、もう紅葉!しているのかもしれない。
それでも…キリリとキモチのいいスカンノの朝である。
それでは、中心にズームイン!してみましょう。

山の神がちょいと触れれば、
ひと息吹きかければ、
ドミノ倒しになってしまいそう。
タンタンタン♪と小気味よいリズムが聞こえてきそうなほど
キレイに並んだ積み木の家。
ヒョイと手を伸ばして、ボードに置きたくなるモノポリーの家。
なだらかに続く階段を、人影がツツツ…と登っていくのが
まるでオモチャみたいにカワイイ。
そこには、淫靡な光に包まれた夜の顔は見あたらない。
わかっているけど、ちょっと不思議。
でもそれが、泊まってわかる町の魅力なんだろうな。

昨晩はちょっとしたお祭りがあって、
小さな町ならではの、つつましい花火も上がって賑やかだった。
だからみんな、いつもよりちょっと夜更かしさん♪だったはず。
心なしか、広場に集まっている住人の数も少ないようだ(笑)
そんな朝の光景を眺めつつ、3キロ先のスカンノ湖へと車を走らせる。

Città di Scanno
スカンノ6. Notte Di Scanno
2009年 06月 15日

現在は観光地として知られているが、
イタリアの中のもうひとつのイタリアともいうべき
独自の伝統や町並みが色濃く残さたスカンノは、
その面影を求め、旅人だけでなく、アーティストたちもまた魅了してきた。
カルティエ=ブレッソン や マリオ・ジャコメッリといった写真家が切り取ったスカンノの風景は、
60年あまり経った今でも、驚くほど変わっていない。
ああ〜ココは、カルティエ=ブレッソンの一枚にあった場所だ。
ちょっとした既視感〜デジャヴを感じるほど、クスリと笑ってしまうほど、
まんま変わらぬ姿がそこにある。
黒衣の老婆がいなくても、
祭りの明かりと喧噪があっても、
これがこの町の「顔」なんだな。

顔といえば…
夜のスカンノはまたガラリと様相を変える。
人っ子ひとりいない、もの音ひとつしない路。
大きな街なら躊躇するはずも
人魂のように浮かぶオレンジ色の街灯が、奥へ奥へと妖しく誘い、
思わずその闇に身を躍らせてしまいそうになる。
そうして歩き出すと、
ものの数分で町の外を走る大きな山道に出てしまう。
まるで……
夢から覚めたかのように、迷宮から放り出されたように、
突然現実の世界に引き戻される。
夢見心地を奪われたくなくて
振り返り、もう一度来た道をたどる。
光と闇に誘われ、
夢遊病者のように、いつまでも歩いていたくなる。
それがスカンノの夜の顔である。
スカンノ5. アタシなんか悪いことしました?!
2009年 06月 13日

町から離れたアグリにするか迷ったが、町外れのB&B La casa di Costanza に宿を取る。
外れ…といっても小さい町のこと。
5分も歩けば、おじさんたちがたむろってた広場に行くことができる。
染みいるような静けさに包まれていた昨日の山中の宿と違い、
町の中に泊まると、朝でも夜でも、好きなときに町歩きができるのがイイ。
でもって、これっくらいの大きさの町が、またちょうどイイんだな〜♪
さてお宿のハナシ。
メールのやりとりが超事務的なのはともかく、
実際会っても、全く愛想のない鉄面皮のPTA会長のような女主人には正直、参った。
滞在中互いに話す事ってほんの数十分もないんだが、
それでもアタシなんか悪い事しました?って感じるほど機嫌が悪いのだ。
ジャンルーカ君のあったかいホスピタリティに触れた後だったから余計「キマシタ」わい。
翌日の晩、宿泊者は15%引きという甘言に釣られ(笑)
B&Bと同経営のリストランテに行ってわかりました。
やっぱダメダメサイアク!!サービスが(怒)
2人とも珍しくマジで気分を害した。だからこの晩の夕食のことは書かない(黙)
もちろん全ての人が「タイプ:ジャンルーカ」ではないし、
気むずかしい人も、その日の気分も、その他モロモロモロモロ要因はあるだろう。
タイミングが悪かったのだ…と思うにしても、ちょっと残念な思い出ともなった(TOT)/
いや、スイマセン…ネガティ〜なハナシでしたね。

部屋は「寝るだけ」ですから特に害はありません(笑)
カワイク整えられたインテリアに、清潔なバスルーム…という快適な部屋デス♪
朝食もタップリ豪華で、B&Bにしては高ランクだと思うvv
サロンには立派な暖炉があるが、
ココだけでなく戸外に山のように薪を積んだ家が多くあった。
今の姿からはてんで想像できないが
冬の寒さはとてつもなく厳しいんだろう。
でも…雪に覆われたスカンノもまた、キレイだろうな〜♪♪
スカンノ4. 悶絶するほどウマイ「アブルッツォの羊」
2009年 06月 10日

多分時間が早くて、誰も客がいなかったんだが
何軒か見たなかで、一番感じが良かった家庭的なリストランテに入る。
今日は結構?!歩いたし、腹減ってる?減ってるぅう〜!!
ドカン!と景気よく盛られた前菜は、ひやあ〜うまひょう〜♪
柔らかいドルチェと、堅いピッカンテのペコリーノ。
半生タイプのレバーのサルシッチャ。
嗚呼〜ワインが〜ワインが〜無くなりそう(♪幸♪)
いやいや…メインに残しておかなければっ!
「羊の会」は別として、今宵はアブルッツォに入って初めて外で食べる食事である。
メニューをジックリと見ることもなく、アホみたいに注文を決めていた。
曰く「アブルッツォ名物」を食べること!
プリモは Maccheroni alla Chitrra 〜マッケローニ・アッラ・キタッラ
アブルッツォではパスタのことを“マッケローニ”と呼ぶらしい。フム。
地方によって星の数ほど種類があって、
あたしからしたら「ソレ一緒やん!」であっても、呼び方など違うイタリアですから
なぜに“マッケローニ”になるのかは「オラが町のパスタの秘密」としておきます(笑)
でも「キタッラ」というのはアブルッツォの名物パスタ…いや、マッケローニだ(ああヤヤこしい!)
その響きから察するように?!「キタッラ」とは「ギター」のことでありマス。
ギターみたく「弦」が張ってある特異な機器で作るからそう呼ばれるのだが、
断面図が、まんま「真四角・正方形」なのも特徴的だ。
平べったいフェットチーネとも違う、太めの蕎麦みたいだな。うん。
だからこぅ〜口当たりも、スベスベとはまた違う、カドカド感がある。
シンプルなトマトソースがよくからんで、ウン、美味いですね〜♪

そしてっ!メインはもちろん !! 羊 !!
「羊の会」では、手間ヒマかけた羊料理をいただいたが
もちろんソレもとっても美味しかったけど、
塩・胡椒でグリルして、レモンをチャ〜ッって絞って食べるのが一番好き!
「肉」って、ソレが一番、美味い食べ方だと思うのよ。
で、ココの「仔羊クン」でアル。
さっぱりあっさりシンプルに焼いただけ。
あ…?あ、ああ〜〜嗚呼、、、、、な、何だコレは!?(悶)
なんといぅジューシーさ!柔らかく旨みがのって、まるで極上のヒレ肉のようだ。
今まで日本で、イタリアで、何十頭かの羊を胃袋に納めてきたアタクシですが、
も〜〜コレは間違いなく その頂点!
キング・オブ・キング! チャンピオ〜〜ン!
スターデストロイやぁああ〜!! (叫)
ふぅ・・・・・
とにかくとにかく本当に、腰抜かすほど美味しかった!ビックラした。
旅行メモ見てよ?! でっかい花丸書いてますから(^^ゞ
以来、羊を食すたびに「アブルッツォの羊」を思い出す。
それがどんなに美味しくても、アブルッツォの羊を思い出す。
アレに優る羊はない…と。
羊を喰うならアブルッツォ! も〜〜決まりデス!
でもでもそれって不幸〜〜今度いつ食べれるのよ?!(怒)
家の台所から出てきたような(笑) おばさんに選んでもらった
Montepulciano D'Abruzzo も、料理に華添えとっても美味しかったvv
日本でも買えることができて、帰国してから思わず注文しまくってしまいました(^^ゞ
Cantina TOLLO
l'Almanacco del Berebene〜アルマナッコ・デル・ベーレベーネ2008
最優秀コストパフォーマンスワイナリー受賞
*何本か飲んだが、コスパが大変よく、どのライン飲んでもまず間違いないお薦めのワイナリーです♪
お会計も€50でお釣りがくるリーズナブルさで、
イイ店に「当たって」素晴らしい食事ができて、幸せな夜となりましたvv
スカンノ3. スカンノの男性たち
2009年 06月 07日

スカンノの女性たち…と来たからには「男性」も公平に扱ってあげませぅ♪
も〜これはイタリアのどの街に行ってもそうなんだが、
夕食前のひととき、通りに溢れかえる人、ひと、人……ではなく、
おっさん、じいさん、おっさん、じいさん…
ああ〜(年配の)オトコだらけ!
だって何気なく撮ったこの広場の1枚に、一体何人のオッサンが写ってると思います?(笑)
夕飯の支度が整うまで、
邪魔だからちょっと外行ってなさい!と、追い出されたのかもしれないが、
夕暮れ時の涼やかな時間をのんびり過ごすのは、とっても贅沢なこと。
いわば身体と心のアペリティーヴォだ。
風に乗ってほらね、美味しい匂いも運ばれてくる。
だんだん日が暮れるのが早くなってきたとはいえ、まだまだ明るいスカンノの町。
ここはひとつ「腹時計」で時間を計ろうか。
美味しそうな店、見つかるかな?

なのに…食べる店より先に、かわいいお店を発見!
なんか見たことあるな?と思ったら、雑誌に載ってた店だった(^^ゞ
本とか資料持っていっても、現地に行くとすっかりその存在を忘れて
全く役にたたないのがあたしたちの常なんだけど (浮かれすぎ?いや…健忘症だな(笑)
今回はフラリと立ち寄れてよかったね♪ by前向き発言
作りつけの棚の上にズラリと並ぶのは、
農家が有機栽培で作った、近隣の山々で摘んだ、ベリーのジャムやシロップ漬け。
自然の恵みがストレートに詰まった品々だ。
木イチゴ、黒イチゴ、コケモモ、ブルーベリー………
ひと言でベリーといってもビックリするくらい種類があって、
買うのに大いに迷ってしまいました。
でも……
この「迷う」ってのが、ショッピングの醍醐味なのよね。
でも……
お腹減ってきたから、ほら、もう行くよ。
「君らが帰ったら店を閉めるよ」
笑顔がチャーミングだったおじいさん。
きっと店を閉めた後、おしゃべりの輪に加わるべく、
いそいそと広場に向かうに違いない(笑)
スカンノ2. スカンノの女性たち
2009年 06月 02日

スカンノの伝統的な衣装をまとった1人の老婆。
ともすれば、雑踏の中に溶け消えそうだが、その存在感は決して無視できない。
狭い町のこと。何度か見かけたあと、意を決して聞いてみた。
「写真を撮ってもいいですか」と。
声を発することなく、わずかに頷き、彼女は応えたくれた。
2日いたスカンノで、しかし、この衣装を着た人は彼女しか見かけなかった。
祭りならいざ知らず、日常で着ることの、その理由は私にはわからない。
射すくめるように真っ直ぐ送られる視線に、少々たじろぎながらカメラを向ける。
広場の水飲み場に像があったが、これが昔ながらのスカンノの女性の姿なんだろう。
8月14日には、伝統的な婚姻行列を再現する
「ユ・カテナッチェ〜Ju Catenacce」という祭りがあるそうだ。

黒の上衣に金糸が入った白のスカート。そして、ちょっとかわった帽子。
胸元を飾るのは、スカンノの伝統手工芸品である繊細な金細工である。
ゴテゴテした飾りを廃したシンプルさが、清楚な美しさを際だたせている。
反対に男性陣はというと、あっさり黒のスーツ(笑)
やはり「主役」は女性だもんね♪
*祭りの様子
他にレース編みも有名で、金銀細工の店と並び、通りの窓を美しく飾っている。
思うに…
雪に閉ざされた厳しい冬の間、
スカンノの女性たちはあたたかい火のそばに集まり、
井戸端会議に興じながら、指を動かしていたのではないだろうか。
なんて、考えすぎかな (^^ゞ
スカンノ1. 山あいにたたずむ、時がとまった町
2009年 06月 01日

途中、羊の大群に出会いながら、
アブルッツォ国立公園をグルリと回りやってきた Scanno〜スカンノ。
山々をぬって続く道を辿るまま走り続けていると、
果たしてこの先に町があるのだろうか、という疑念が沸き上がってくる。
高く低く連なる稜線に、羊と、羊飼いと、犬が駆ける山に、
人の営みが全く感じられないからだ。
そんな山中に、魔法のようにツイと現れるスカンノ。
山肌に寄り添うように家屋が密集しているその姿は
イタリアという本土から隔離された全く別の町…といった趣がある。

この町では、メインストリートも地図も意味を成さない。
あっちへこっちへと、蜘蛛の巣のように伸びた小道や路地が、本当の道だからだ。
気ままに足を運んで、どこに行くのはかはお楽しみ。
迷う心配はしなくてもいい。迷ったっていい。
ほんとうに、小さな町だから。
もし困ったら、あそこの男の子に、おじさんに聞いてみよう。
きっと彼らは、小道のことを隅から隅まで知ってるはず。

周囲の大自然が手つかずのままならば、町だって中世のまま時が止まっている。
世の中と隔絶された厳しい環境は、しかし、
古き良き町並みを残すことにもなったのだ。
初めてなのに、どこか懐かしく、居心地がいい。
そんなスカンノの町は
イタリアで最も美しいボルゴ〜Borghi più belli d'Italiaの一員でもある。
Borgo とは、町というには小さく、村というには大きい…といった規模だろうか。
まさにスカンノにぴったりの大きさである。