夜中に Strada bianca (未舗装の砂利道)を走るのはちくと勇気がいったけど、空港から10分ほど。文字通り “寝るだけ” のお宿
B&B Avion にやっとこさ到着。空港ですかさず買ったビールがまだ冷えてるうちに飲むったら飲むっ!! はぁ〜ウマいっ!ウマすぎる(≧▽≦)//
滞在中、ンとぉ〜によく飲んだビール
Ichnusa イクヌーサは、イタリアでもベスト5に入る人気ブランドだ。神サマが踏んづけて出来た島という伝説から、サルデーニャはかつて古代ギリシャ語の “足跡〜Hyknusa” と呼ばれていた。そこから命名されたので “イクヌーサ”ってズバリ!サルデーニャの事になる。
ハイネケン・グループの傘下に入ってるとはいえ製造は島内で行われており “Anima Sarda サルデーニャの魂”という文字や、州旗でお馴染みの “Quattro mori 4人のムーア人” も入っていて「サルデーニャ愛」がたいへん強いラベルになっている。それもそのはず。主産業に乏しい島で、2022年に創業110周年を迎えたサルデーニャが誇るビールだからだ。
ラインは5種類。旨味が濃い無濾過の“Non Filtrata” や、すっきりゴクゴクな“Ichnusa”が美味しかったけど、ジュースのように爽やかな “Limone” に出会ってからは、ソレばっか飲んでました(笑) この時は口にできなかったが、110周年記念として発売された“Ambra limpida”には、サルデーニャ産のお米が入ってるんだって!
牧畜や農作業など屋外での仕事が多いからか、サルデーニャ人のビール消費量はイタリア1多いらしい。うんうん、わかるぜ!食事の時はワインでも、乾いた喉に流し込むビールは「生きててヨカッタ〜!」ってくらい至福の瞬間だからね。しかもウマいんです。イクヌーサ。
というワケでラベルの4人ともすっかり仲良しに!(笑) でね、前述したようにコレはサルデーニャの「州旗」を模している。イタリアにある20の州にも、もちろんそれぞれ「州の旗」がある。
目にする機会はなかなか無いけど、シチリアの州旗
トリナクリアは、日本でもよく知られていると思う。メデューサの頭から生えた三本脚 (
三脚巴) がシチリア島の3つの岬を表しているように、州旗にはいろんな意味がこめられているンだが、サルデーニャの場合はというと_
サルデーニャには島の宿命を象徴するような “Furat chi benit dae su mare〜海から来る者は泥棒” という諺があるそうだ。その不穏な言葉通り、海からやってきた侵略者〜イスラム教徒との戦いで、4人の将軍の首を落とし勝利したことを表しているのが通説となっている。
時には異教徒とは別の戦いもあって、4人に“目隠し”をした別バージョン(↑)も生まれている。
それはサルデーニャ島を所領した
サヴォイア公国が、首都も本拠地も本土なピエモンテであるのにも関わらず
サルデーニャ王国と名乗り、島民に圧政を強いたからだ。“目隠し”は自由を奪われたという意味だったのだろう。
正式な州旗は元通り“鉢巻き型”になっていて “目が開いて” いるけれど、そこには、歴史上常に何かと戦ってきたサルデーニャが、今後二度と眼をふさがれないこと。すなわち他国や他人の支配を受けない事への意思表示が込められているという。
ムーア人とか黒い人とか近年のレイシズムに従い、この意匠はどんなもんだろう?という意見もあるようだが代案は出てこずじまい。なぜなら、州旗というより、先人が守りぬいたサルデーニャという“国の旗” だという思いを抱く島民も少なくないからだ。あぁ〜ここにもイタリア人…いや、サルデーニャ人の深い郷土愛が見て取れるのである。
以上、ちょっと興味が湧いて調べてみた事をアウトプットしてみました(^-^) 今まで単純にカッコいいデザインだな〜って思ってたけど、島の歴史と誇りある“思い”が込められていたんだね。これからちょっと見る目が変わりそうです。
【今回のオマケ】
サヴォイア家というと、男性が王位を継ぐ長年の慣例を覆し、女性(娘)であるヴィットーリア・ディ・サヴォイアに家督を譲る事がNEWSになっていた。王政復古は非現実的でも、彼女は女性初のイタリア国王の地位請求者になったのである。