
丘陵地にある小さな町は必然的に坂が多い。だが、州都なカンポバッソともなるとその数は桁違いに増え、複雑になっていく。特に旧市街の中は、登っているのか下っているのかわからない
エッシャーの無限階段状態になっている。
なるべく「下って」行きたかったら、スタートは頂上の
モンフォルテ城しかない。ほぅらもぅ、下ってるでしょう?もちろん逆パターンもありだけど、それにはかなりの脚力と気力を要することは言うまでもありません(笑)
今回はそんな坂の町カンポバッソの、坂の写真ばっか集めてみました。
ってか、いっぱい撮ってたんだなぁ〜(^^ゞ
そのまま広いメイン道(でも坂道(笑)を歩いていけばいいのに、横道にちょっと伸びてるちょっと狭い階段には悪魔的な誘惑があり、ついつい入ってしまう。振り返れば、自転車が見えるステキな光景。コレ「当たり」です。
でもそうすると方向感覚がワヤになるワケだが、勝手に足が下っていくもんだから、最初から自分の立ち位置行方不明。 とにかく本能_もとい2本足が誘うまま、下るのみ!なんである。
長い 長い 長い!
白い敷石が、まるで巨大な魚の骨みたく延びている。
段差も傾斜も緩やか。踏みしろも広くて、マウンテンバイクで下れるほど。
それでもはずみがついてしまうと、二の足でも急に止まれない。
昔は地べただったから、階段というより階段状の坂道…というのが正解かもしれない。
頂上に近い所ほど傾斜がきつかったように思う。
下ってるからいいものの、上りなら間違いなく胸突き八丁なヘアピンカーブ。横断幕な洗濯物は、伊国のあるある話で絞りが甘い。頭上と路上に広がる水滴に注意しながら下れや下れ!
息を整えたり、腰を伸ばしたり。
下からヒィふぅと上がって来る人を眺めたり。
恋人たちの待ち合わせ場所だったり。
急な階段坂の途中には、ひと時、オアシスのような踊り場があったりする。
そこに集う人や光景は、今も昔も驚くほど変わっていない。
登るのもキツイが、下るのもキツイ(笑)
そんな坂道と共に暮らしてきたジモティたちは、階段坂を上り下りすることを "Salita del Monte 〜山に登る" と言うそうだ。それは嘘でも誇張でもない。歩いてみればわかるよ、きっと。
階段がなくなると下界が近い印だ。それでもなだらかに坂は続く。
カンポバッソの
聖金曜日の行進は1626年から続く伝統的行事だ。この町が生んだ作曲家ミケーレ・デ・ニグリス(Michele de Nigris) が編曲した無原罪の賛美歌 “Teco Vorrei” を、700余人の市民合唱団が切々と歌い上げることで祭典は最高潮を迎えるという。