
海上に浮かぶ城から一転。ちょいと山側に登ってやってきたのは“イタリアの最も美しい村” Stilo〜スティーロ
山といっても海から数キロほど。上へ上へとあがるにつれ水平線が顔を出し、よそ見運転するのに忙しい(笑)

ドライブの途中でよく見かける、通りかかるような町は、人口3千人ほど。それでも我々のようなビジターが絶えず足を止め、訪れるのは、単に “美しい村”だから…だけではない。
破壊と略奪をよしとする侵略者でさえ、その佇まいに魅了され手をかけなかったという、奇跡のように美しい教会〜 Cattolica〜カットーリカ があるからだ。

車を停め、テクテク歩いていくと……うぅうむ!!!いやはや、これはね〜、こんなの見たことないわ〜(//∇//)
どこか拙いのに温かみを持つ煉瓦積み。幾何学風の意匠は明らかに東の風を運んでおり、ラヴェンナのソレを思い出したほど。5本並ぶ特徴的なドームの下に9つの正方形部屋が並ぶギリシャ十字形のプランは、すなわち、典型的な(中期)ビザンチン様式になっている。
サンタ・セヴェリーナにも年期の入った“ビザンチン様式”が幾つかあったが、カットーリカは、文句のつけようがないほど完璧なスタイルだ。10世紀建立という歴史も含め、たいへん貴重な宗教遺跡として、2015年のミラノEXPOでは州を代表する教会として紹介。今や世界遺産候補にもなっている。もし実現すればカラブリア州初の、そして待望の世界遺産となることだろう。
アタシたちが行った時は内部は撮影禁止だったのでwikiの写真をお借りして…

残念ながら写ってないけど、中央を支える大理石の支柱が4本建っていて、1本は逆さまのコリント式が(本来は意匠がある方が上なのに下になっている!)、もぅ1本はドーリア式の柱が使われている。
当初はイスラムの礼拝堂として使われていたこと。どこぞのローマ遺跡からかっぱらってきたことから(!!) 様式なんぞ気にしなかったのかもしれない。それか、シマッタ!間違えたとか…ね(笑) なんにせよ、かなり珍しい事だと思う。
オマケにこんな言い伝えもあるという。男手数人は必要な柱を、1人1本。4人の若い村娘が、道中、歌い踊りながら運んできたという。伝説は、ロマンとファンタジーがとことんあった方がいい。逆さま柱と共に、想像しながら見るとオモシロイかもしれない(๑˃̵ᴗ˂̵)و

内部にはところどころに色鮮やかなフレスコ画が遺っている。これが創建当時のように、全ての面が壁画と装飾で覆われていたら、決して広くないこの空間で、息苦しいまでの“美圧”を受けるだろう。朽ち方と遺り方がアタシ的にはちょうどよくって、敬虔でありながら、安心して身を任せられる心地よい雰囲気を醸し出している。
調査によると、イスラムの礼拝堂からキリスト教会へと移っていく際に、4回ほど描き直されているそうだ。それでも“ハコ”には手を加えなかった先人たちの良識に、感謝と合掌を贈りたい。

でもって、ディテール好きにもたまらないつくり♪♪なのよね〜。一見、それほど難しい事はしてない(ように見える)のに、組み方1つでこれだけ顔が変わる。もし煉瓦づくりの家を建てるなら参考にしたいくらいである(笑)
特に屋根!こんなクッキーあったよね?!と思うのはアタシだけ?美味しそうな色(!!) といい、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家みたい(//∇//)

実際、それはそれはキューとなサイズなのです。しかもこ〜〜〜んな所に建ってるの!! (写真:Wikiより)
訪れた時は町外れにあるんだな〜くらいしか認識できなかったので、こんな写真見ると改めてビックリする。正面からしか入れない、見れないワケがわかったわ。
今も昔も地震が多い南イタリアの、ましてこんな場所に現存しているのは、厚さ70cmの鎧(壁)をまとっている、実は細マッチョだからかもしれないが、やっぱミラクルよね〜と、しみじみ思ってしまうのであった(>_<)//
Cattolica di Stilo
入場料:4€4〜9月 9〜20時 10〜3月 10〜18時 最終入場は15分前まで
伊語・英語の音声ガイドあり( 3€ )
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