スカンノ1. 山あいにたたずむ、時がとまった町
2009年 06月 01日

途中、羊の大群に出会いながら、
アブルッツォ国立公園をグルリと回りやってきた Scanno〜スカンノ。
山々をぬって続く道を辿るまま走り続けていると、
果たしてこの先に町があるのだろうか、という疑念が沸き上がってくる。
高く低く連なる稜線に、羊と、羊飼いと、犬が駆ける山に、
人の営みが全く感じられないからだ。
そんな山中に、魔法のようにツイと現れるスカンノ。
山肌に寄り添うように家屋が密集しているその姿は
イタリアという本土から隔離された全く別の町…といった趣がある。

この町では、メインストリートも地図も意味を成さない。
あっちへこっちへと、蜘蛛の巣のように伸びた小道や路地が、本当の道だからだ。
気ままに足を運んで、どこに行くのはかはお楽しみ。
迷う心配はしなくてもいい。迷ったっていい。
ほんとうに、小さな町だから。
もし困ったら、あそこの男の子に、おじさんに聞いてみよう。
きっと彼らは、小道のことを隅から隅まで知ってるはず。

周囲の大自然が手つかずのままならば、町だって中世のまま時が止まっている。
世の中と隔絶された厳しい環境は、しかし、
古き良き町並みを残すことにもなったのだ。
初めてなのに、どこか懐かしく、居心地がいい。
そんなスカンノの町は
イタリアで最も美しいボルゴ〜Borghi più belli d'Italiaの一員でもある。
Borgo とは、町というには小さく、村というには大きい…といった規模だろうか。
まさにスカンノにぴったりの大きさである。


