ラクイラ1. 聖人が眠るサン・ベルナルディーノ聖堂
2009年 04月 29日

フラスカーティから高速に乗って、いよいよアブルッツォに入る。
ローマからも、アドリア海からも約100km。
ちょうど真ん中に位置するのが、アブルッツォの州都 L'Aquila〜ラクイラである。
L'Aquila。先日の大地震で大きな被害を被った街である。
07年当時、私たちが訪れ見た街の姿は、今はない…かもしれないが
短い滞在の間に撮った写真で、少しでも紹介できたらと思う。
ホントに少ないんだけど………(TOT)//

聖カテリーナと並ぶシエナの守護聖人、聖ベルナルディーノは
ナポリに布教に行く途中、ここラクイラで没した。
すぐさま墓が作られ、優雅な後陣を拝するルネッサンス様式の教会が建った。
それがこの Basilica di San Bernardinoである。
なだらかに広がる大階段が、教会に入る前、ひと息フッと心を落ち着かせてくれる。
街はずれにあるのだが、その分、ゆったりとしたアプローチが印象的である。
そして、シンプルともいえる内部で一際目立つのは、堂々たる聖ベルナルディーノの墓だ。
聖カテリーナが百合や書物を持つように、
聖ベルナルディーノの象徴として描かれるのは、教えを説く際用いたという銘板で、
そこには「イエス」のギリシャ語を短くした「IHS」と描かれている。
後陣の壁にも、そのマークが見てとれる。
*写真は Wikipedia より San Bernardino di Siena by El Greco
この華奢なファサードが地震でどうなったのかあまり想像したくないが、
聖人が眠るこの場所は、未来永劫変わりはしない。
それを想う人びとの気持もまた、未来永劫変わらない。
ラクイラの街も、もっともっと美しく生まれ変わるに違いない。