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チヴィタ・ディ・バニョレージョ 1. 死を背に ひとり佇む陸の孤島

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いつか行ってみたいと思っていた場所に立った時、
目の前の風景が、現実なのか夢なのかわからなくなることがある。
それほどまでに、遠くから眺めるチヴィタ・ディ・バニョレージョの姿は印象的だった。
   
鐘楼のシルエットがまるで墓標のよう。
しかしそれがなければ、誰もあそこに、人の営みがあるとは思いもしないだろう。

イタリアの街を見て、純粋に美しい!と思った所は数え切れないほどあるが、
その威容さにおいて、チヴィタはピティリアーノに次ぐオーラを放っている。






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お馴染みのアングルだが(笑) ココから撮らずにはいられない。

町をつなぐ唯一の道 緑の渓谷を渡る1本の橋は、まるで綱渡り。
なんてアプローチ!なんてドラマチック!

その長さ、約300m。
この立派な橋ができる前は、
一体どんな橋が架かり、どうやって行き来してたんだろう?と思わずにはいられない。

手前にバニョレージョという小さな町があるが、
それが唯一、外との繋がりとなっている、まさに陸の孤島である。

要塞のような町に近づくと、橋の傾斜がグンときつくなる。
全く遮るものがない天上から、強烈な陽射しが脳天を焦がす。

いつもなら閉口する坂道も、
この劇的な序章のお陰で、全く苦にならないから不思議だ。





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遠くから見るより、うんと小さく感じられる鐘楼。そして教会。

広場の石畳ははがれるままで、
運動場さながら地面が剥きだしになっている。

普通の町でいえば、一番賑わいを見せるであろう場所なのに、
カラカラに乾いた地面が、もの悲しさを誘う。





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「バーニョ〜お風呂」という名が示すように、
周囲は温泉が噴き出す (温泉はなかったけど…) 火山地帯なんだそうだ。

それが度重なる震災により、地面が崩落。
チヴィタの町が乗っかった山だけが取り残された。

生きる糧は、1本の橋のみ。
人々が新しい生活を求め、町を離れたのもムリはない。

今だって風雨にさらされ、年々、確実に山肌が削られていく。
そしてそれは誰にも止められない。

美しくも印象的な姿とは裏腹に、過酷な運命を背負ったチヴィタは
La citta che muore 〜死にゆく町と呼ばれている。
Commented by くみこ at 2012-06-06 01:11 x
あまり期待せずに(ご、ごめん!)チラ見してたら、お、更新していたーーー!
チヴィタ、私も行きたいとずっと思いつつ、まだ未踏の地。
そうそう、ピティリアーノはすんごいオーラよね~
分かるわ、キレイで感動する景色はいっぱいあれど
“サブイボ”がでたんはピティリアーノやったもん。
これと並ぶかと思うとやっぱり行きたいっ!!
Commented by 21giova at 2012-06-06 16:31
ギャハハ!!秘かにやってたのバレたか?(笑)
じゃなくてのぞきに来てくれてありがとう♪♪(>_<)//
ずっとほったらかしだったし、旅行前にイタリア気分高めるためにも
今月は強化月間にするねん!!(ホンマけ?(笑)

うんうん、ピティリアーノはホンマ凄かった!
あんな町がトスカーナにあるのもビックリしたし
日本でもオルチャも結構知られてきたから次のブームは絶対マレンマ!!と確信してる
また機会があればゆっくり回りたいなvv
くみこはんのおば〜ちゃん家も寄ってこようかな(笑)

チヴィタもとってもインパクト大の町だったよ〜vv
やっぱすごく特異なロケーションだし
狭い所に観光客だらけだけど(笑)一度行ってみる価値はあると思うよ
by 21giova | 2012-06-01 23:15 | ├ チヴィタ・ディ・バーニョレージョ | Comments(2)

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